ココロおき楽の~児童発達支援・放課後等デイサービス~について②【沖縄県の児童通所支援事業の動向とココロおき楽】

 こんにちは。

ココロおき楽の心理師の脇です。

今回は、『ココロおき楽の~児童発達支援・放課後等デイサービス~』の開所に当たり、近年の児童通所支援事業の動向とココロおき楽の在り方についてお話ししていきたいと思います。

沖縄県の児童通所支援事業の動向

昨今、児童通所支援事業(児童発達支援・放課後等デイサービス)は利用者が増加しており、それに伴い事業所数も増加しております。一方で、利用児童の獲得競争でうまくいかずに閉所していく事業所も見られています。


引用:沖縄県 令和4年度放課後等デイサービスの実態に関する アンケート


 このデータを見ると、沖縄県南部の放課後等デイサービスの利用児童は、沖縄県中部と比較しても1.5倍程度多く、令和2年度から令和4年度にかけても600名ほど利用者が増加していることが分かります。

 これは単純に、『教育事務所別児童数(公立)は、全児童数99,539人のうち中頭教育事務所管内が36,208人(構成比 36.5%)で最も多く、次いで那覇教育事務所管内の27,604人(同27.7%)島尻教育事務所管内 の20,453人(同20.5%)と続き、これら3教育事務所で全体の84.7%を占めている。』ことが要因で児童数の多さが放課後等デイサービスの利用者数の多さにも関連していることも一つと思われます。
引用:沖縄県企画部統計課 令和3年 学校基本統計

 しかしながら、沖縄県南部の就学児の児童だけでも、3577名が放課後等デイサービスを利用しているとのことで県内でも社会的ニーズの高さが伺えると思います。

 一方で、沖縄県内の児童通所支援事業所(児童発達支援・放課後等デイサービス)は約1400施設あるようです。この数は、県内でも校区や地域によって、児童デイサービスの需要と供給が合っていないところもあるかもしれません。

引用:沖縄県 指定障害児通所・入所支援事業所情報(令和6年9月1日現在)

ココロおき楽の児童通所支援事業
  
 私どもとしては、児童通所支援事業は新規参入となっており、実際、スクールカウンセラーをしていた際にも、勤務先の学校の支援員の先生から「脇先生、児童デイやりたいって言ってたけど、たくさんあるのになんで?大丈夫?」と心配をしてくださるやり取りがありました。

 私としては、スクールカウンセラーをしている時に、お子さんと保護者さんの話を聞いていて、あったらいいなと思う事業所を具現化したいと思い、今回、児童発達支援・放課後等デイサービスを設立することになりました。心配してくださった先生にも、カウンセリングの合間の時間でしたが、少し熱く話をすると「いいねー!たしかに!出来たら、おしえてね!」と理解を示してくださいました。

 私が当時感じてあったらいいなと思う事業所は、こんな困り感を対応・一緒に考えてくれるところです。

〇文字が読めない、書けない。お話は普通にできるけど、困り感が強い。
→ディスレクシアなど、限局性学習障害の可能性があり、専門的な支援や困り感の対処・その練習を一緒に行ってくれる所。

〇黒板の板書が苦手だけど、どうしたらいいのか分からない。
→心理検査で板書は控えるように提案してくれたけど、そこからどうしていいか…
→筆記スピードや書字の困難さの練習を練習してくれる場所。その旨を専門的に学校や担任の先生にも伝えてくれる所。

〇頑張って学校に行っていたけど、最近暫く休みが続いてる。登校に向けてのきっかけ作りや方法が分からない。
→学校の休みが続くと、勉強もついていけなくなり、益々不適応感が増してしまう。いつでも登校できるように、本人の居場所を確保しながら学習のサポートを継続して行う。保護者や本人の代わりに担任の先生とも連携してくれる所。
→児童デイサービスに通所していれば、出席扱いにしてくれる所。

〇気持ちの整理が苦手だから、癇癪を時々起こす。対応方法が本人も保護者も分からず、お互いに困っている。
→学校では適応的だが、本人も学校では頑張りすぎて(エネルギーを全部使って…)、家では余裕がなく(エネルギー0)なってしまい、ちょっとしたことで癇癪が起こる。その時の対応方法や保護者の気持ちのサポート、本人のエネルギー調整の練習や気持ちの掃き出し場所を提供してくれる所。

〇友人に思ったことをズバッと言ってしまうところがある。どう伝えていいか、どうコミュニケーションの練習をしていいか分からない。
→お家でコミュニケーションの練習をしていても、親子ならではの会話で大切な話とそうでない話の弁別が付きにくい。お家では楽しく両親とゆっくり過ごす、学校はお勉強、児童では宿題を一緒にしたり、コミュニケーションの練習や困ったことを相談して一緒に解決してくれる場所という使い分けができるような環境を提供する所。

〇場面緘黙(傾向)があって、仲の良い友人としか話ができない。将来が少し心配している。
→学校だと、毎年担任が変わり、クラスも変わってクラスメイトも変わってしまう。学年末に少し慣れてきたと思ったら、また最初からになるため本人も不安が強く、慣れにくい。将来に向けて、数年単位で不安の対処や関係性構築、コミュニケーションの練習などを環境の変化が少なく、継続した関係性の中でサポートを受けられる所。

〇発達障害の診断がついたけれど、これからどうしたらいいか分からない。
→発達障害の診断がついても、その特性や困り感は10人10色です。どんな検査をして、どんな経緯で診断が付いたのかも含めて、一緒に考えて、今後の方向性を保護者の意向に沿ってサポート行けること。診断が当然にように将来的な不利益にならず、むしろこのタイミングで分かったことが大きな利益になるように、将来的な自立に向けて必要な支援とその選択しを提案してくれる所。

〇勉強の困り感があるけど、自宅で教えても親子で喧嘩になってしまう。昨日、分かったと思っても、今日になるとまた忘れていて、どう定着させたらいいか分からない。
→学習のサポートについては様々なアプローチがあり、一般的な学習塾で定着する子もいれば、そうでない子もいます。学校から疲れて帰ってきたお子さんと仕事から疲れて帰ってきた親御さんが一緒に学習を取り組むというのは結構ハードルが高いと思われます。第三者的に本人の知的能力の側面から得意不得意を配慮して学習サポートができるところ。
→例えば、定着が弱い場合や学習面で困り感が強い児童の場合の多くは、ワーキングメモリーの支援が必要な場合が多いです。

〇構音障害(傾向)があるけど、医療機関になかなか言語訓練に行けない。
→通院での訓練は頻度が少なくて増やしたいものの、中々通院を高頻度で行くことは難しい。手厚いサポートで構音障害も含めた、本人のコミュニケーションの自信を取り戻すサポートができるところ。

以上が、私が感じていたあったらいいなの一部です。より、ニーズに沿って提案できることを増やしていきたいと考えています。

ココロおき楽の特徴

それは、

●国家資格などの専門職のスタッフが多いこと

 例えば、看護師、心理師、言語聴覚士、精神保健福祉士、社会福祉士、作業療法士、保育士、教員免許取得等のスタッフが在籍しております。

特に、この児童発達支援・児童デイサービスでは、看護師が管理者として在籍し、医療的ケアが必要な児童さんにも対応しております。

先程のあったらいいなを具現化するために、こうした専門職のサポートは必須と考えています。

●学習とソーシャルスキルの獲得に特化していること

 学習が全てではありませんが、困り感が少ないに越したことはないと思います。特に、義務教育課程では、学習に躓きを感じると劣等感を感じたり、自尊心に影響が出てしまうことも心配されます。
 また、学習はできても、コミュニケーションが苦手であると、社会に出た時に困る方も多いです。
 例えば、学生時期は勉強ができたから、特に何の困り感もなく過ごしてきたけれど、大学・社会人にコミュニケーションや臨機応変な対応が苦手で、疲れてしまい、メンタル不調になってしまう…などの事例がよく聞かれます。
 私たちの法人はメンタルヘルスが専門分野ですので、将来にわたっての精神的健康を維持増進するために、学童期から必要なサポートを提供していきたいと考えています。

 以上、今回は、【沖縄県の児童通所支援事業の動向とココロおき楽】についてお話しさせていただきました。


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